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お家で実践!歯の白さをキープするセルフケア【前編】

歯が黄ばむ原因と、今日からできるお手軽ケアをチェック

ある民間企業が、20歳から69歳までの男女にオーラルケアのお悩み調査を行ったところ、第1位は「歯の着色」でした。

歯が黄ばんでいると大きく口を開けて笑えない。
口元が気になってメイクを楽しめない。老けて見える。
何とかしたいけれど、クリニックでの本格ホワイトニングは敷居が高くて…。

そんな方は、きっと少なくないことでしょう。

そこで、ホワイトニング専門クリニックのドクターに自分でできるケア方法を、じっくりとうかがいました。
前編は、黄ばみの原因と手軽にできる予防法についてです。

お話をうかがったのは・・・

デンタルケア ジュエルホワイトクリニック広尾
院長 登坂 万喜先生

歯のホワイトニング専門クリニック『ジュエルホワイトクリニック広尾』を2012年開業。丁寧なカウンセリングと確かな技術で数多くの女性から支持を得る。特に白さの結果、美しさに定評がある。2013年ミスユニバース・ビューティーキャンプの講師も務め、自身もかなりの美容通であり、口元の健康と美しさを日々追求し女性の美に貢献する。

東京歯科大学卒業
日本歯周病学会会員
日本歯科審美学会会員
抗加齢歯科医学研究会会員

変わってきた、歯に対する日本人の審美意識

日本は、欧米に比べると歯の美しさに対する意識が低いといわれています。確かに、日本で歯列矯正が一般的になったのは比較的最近のことで、それまでは「八重歯はチャームポイント」という考え方すらされていました。けれど、そんな日本人の意識も少しずつ変わってきているようで、審美の観点から黄ばみや歯列矯正のお悩みをご相談される方は、年齢、性別に関係なく確実に増えていると感じます。ホワイトニングを専門とする当クリニックの患者さんは、20代から30代の方が多いのですが、最高齢は78歳で始めた方もいらっしゃいます。

どんなに気をつけても、いずれ歯は黄ばむ!?

歯が黄ばんで見える原因には、大きく分けて2つあります。そのひとつは経年変化によるもの。歯は、エナメル質と象牙質の二層構造になっています。

外側の白いエナメル質は、歯を咀嚼の衝撃から守るケースのようなもので、厚みは2~3mmほど。人体の中で最も硬い組織ではありますが、長年の咀嚼や歯磨きで、少しずつ薄くなっていきます。一方、歯の「本体」である象牙質は、年とともに組織が厚く、緻密になり、色も濃くなっていきます。つまり、どんなに気をつけていても、年齢を重ねれば、薄くなったエナメル質から象牙質の色が透けて見えるようになり、しかもその象牙質の色は徐々に濃くなっていくため、歯は黄ばんでしまうのです。

歯の表面の見えない被膜が色素を吸着

歯が黄ばんで見えるもうひとつの原因は、「ステイン」と呼ばれるエナメル質への色素の付着です。これは主に飲食によるもので、歯の表面には、唾液のタンパク質からつくられた「ペリクル」というネバネバの薄い被膜がかかっていて、飲食したものの色素を吸着してしまうのです。色素付着を起こしやすい食品としては、紅茶や黒ウーロン茶、ルイボスティーなどの色の濃いお茶、コーヒー、赤ワイン、ブルーベリー、チョコレート、カレーなどがあります。なお、食品以外では、喫煙もステインを形成する大きな原因です。

長期間のマスク生活が、黄ばみを進行させる!?

色素の濃い食品を飲食する頻度が高ければ、当然ながら歯は黄ばみやすくなりますが、そこには生活習慣やクセ、体質なども関わってきます。たとえば、毎食後に歯磨きする習慣がある方とそうでない方とでは、着色の程度は違ってきます。また、唾液の量が多いか少ないかでも違います。唾液には、歯に付いた食べかすや歯垢を洗い流す「自浄作用」があるのですが、もともと唾液の分泌が少ない方や、口呼吸のクセがあって口腔が乾燥しがちな方は、唾液の自浄作業が働きにくいため、やはり着色しやすくなります。こうしたことに加えて、新型コロナウイルス感染防止ですっかり定着した、マスク生活も要注意です。長時間マスクをしていると、息苦しさから、知らず知らずのうちに口呼吸をしている方は、かなり多いです。口呼吸は、黄ばみだけでなく歯周病や口臭の原因にもなりますので、できるだけ意識して直しましょう。

最も手軽な黄ばみ予防は、水を飲むこと

歯の経年変化による黄ばみやくすみは生理的な現象で、残念ながら避けられるものではありません。でも、エナメル質への色素の付着は、少し気をつければご自身で予防が可能です。その最も手軽な方法が、食べる直前に水を飲むこと。歯が乾燥している状態でものを食べると、表面に飲食したものがペタッと貼り付いてしまうので、そうならないよう水で歯をコーティングしておくのです。また、コーヒーや赤ワインを飲んだり、チョコレートを食べたりしたあとも、チェイサーのように水を飲むと効果的です。道具は何も必要ないので、職場でのランチや外食のときでも無理なくできる、おすすめの方法です。

唾液を出して、自浄作用で黄ばみを予防!

歯を湿らせて口腔を洗い流すということでは、先ほども少しお話したように、唾液もひと役買っています。近年、唾液が出にくくなるドライマウスが問題視されていますが、歯の黄ばみの観点からも、つねにたっぷりの唾液が分泌していることが重要です。唾液の量を多くするコツとしては、ひとつには水分補給をこまめにすること。これは、歯をコーティングしたり汚れを洗い流すためではなく、唾液の「原料」補給なので、いつ飲んでも構いません。また、ガムを噛んだり、唾液腺マッサージしたりすることも、唾液の量を増やすのに有効です。唾液の自浄作用を活用して、黄ばみのもとを絶ちましょう。

その場でチャレンジ!唾液腺マッサージ

指数本を耳たぶのやや前方(上の奥歯あたりのほほ)に当て、10回ほど円を描くようにマッサージしていきます。

前編のポイント

歯の黄ばみを防ぐ最初のステップは、口に入れたものの色素が、できるだけ口腔内に留まらないようにすること。でも、黄ばみのもとを完璧に絶つのは容易ではありません。そこで次回【後編】では、歯に付いてしまった色素の除去方法について、引き続き、登坂先生からお話をうかがいます。

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