モノ・マガジン2015年12月号
モノ・マガジン2015年12月号
編集部のモノ差し
水平リーベぼくの歯ブラシ
朝起きて、洗面所に行き、顔を洗う。そして、歯を磨く。まだ回らない頭で考えるのは、小学校で習った光合成のこと。植物の葉緑体に太陽の光が当たることで、空気中の二酸化炭素と水を、酸素とデンプン等の炭水化物に変化させる生化学反応だ。
なぜそんなことを考えてるのかというと、今使っている歯ブラシの仕組みが光合成に似ているから。光の力と水だけで歯垢を分解してくれるのだ。ポイントは本体に内蔵された酸化チタン。光があたることで触媒作用を行うこの光触媒は、ソーラーパネルで受けた光でe-(マイナス電子)を発生させる。そして唾液などと反応することで物質的に変化をして強い酸化作用を生む。社会的には光触媒は大気浄化や抗菌などの用途で使用され、有機有害物質を分解して無害化して活躍している。そうした化学技術が口の中では慎ましくも歯垢を分解してくれる。
不思議な化学の世界に想いを馳せながら、眠たい目で見つめているこの電球の光が、巡り巡って私の歯をキレイにしてくれることにただただ感謝をするばかりなのです。
ソラデー/SOLADEY N4